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歯科で使う「右下6番」などの番号は、歯の位置を伝えるための呼び方です。永久歯と乳歯では表し方が異なり、抜けた歯があっても番号を詰め直しません。歯の種類と本数、生え替わり、健診票の読み方を整理し、診察時に症状を伝えるための確認点を紹介します。
歯の番号は、口の中の場所を共有するための目印
診察中に「右下の6番を確認します」と聞いて、自分のどの歯のことか分からなくなった経験はないでしょうか。歯には正式な名前がありますが、診療では位置と番号を組み合わせて短く表すことがあります。番号そのものは、虫歯の重さや治療の順番を示すものではありません。まず、場所を表す言葉と状態を表す言葉を分けて聞くと、説明を理解しやすくなります。
上下、左右、真ん中からの順番を組み合わせる
日本の診療でよく使われる表し方では、永久歯を真ん中の前歯から奥へ向かって1番、2番と呼びます。右上、左上、右下、左下のそれぞれで数えるため、「6番」だけでは歯を一つに決められません。「右下6番」のように、上下と左右がそろうことで位置が定まります。健診やカルテで使う歯の表記については、参考情報1を参照してください。
左右は患者さん本人の体を基準にします。歯科医師が正面から見ているときの左右とは逆になるため、向かい合った図を指しながら説明されると戸惑うことがあります。指さした場所と説明の言葉が合わないと感じたら、「私の右側ということですか」と確認してください。聞き直すことは、治療する場所の認識を合わせるために役立ちます。
自分の口を撮った写真にも注意が必要です。撮影や表示の設定によって左右が反転して見えることがあります。写真だけで左右を決めず、「自分の右下」と言葉でも添えましょう。歯の番号を正しく言えなくても診察は受けられます。番号を暗記することより、分からない場所を分からないまま伝えられることの方が大切です。
歯が抜けても、残った歯の番号を前へ詰めない
番号は、その歯が何という種類の歯なのかと対応します。歯を失った場所があっても、後ろの歯の名前が自動的に変わるわけではありません。たとえば第一大臼歯を失った後、口の中で前から六つ目に見えるものを数えても、それが「6番」とは限りません。数えるときには、歯がない場所や治療で補われた部分を考慮する必要があります。
歯並びが重なっているときや、矯正治療で歯を動かした後も、見える順番だけでは判断しにくい場合があります。「右下の一番奥」「以前かぶせ物をした場所」など、本人が分かる特徴を伝えて構いません。歯科医師は診察と記録を照合して対象を確認します。治療計画書の番号を、自分で数えた結果に合わせて書き換えないようにしましょう。

永久歯の名前と1番から8番までの対応
永久歯には、切歯、犬歯、小臼歯、大臼歯があります。名前は難しく見えますが、前から順に整理すれば対応が分かります。同じ「前歯」「奥歯」という言葉でも、人によって指す範囲が違うことがあるため、説明書を読むときは正式な名前も併せて確認すると便利です。歯の名称と歯式の対応は参考情報2に基づきます。
| 番号 | 名称 | 位置を理解するための目安 |
|---|---|---|
| 1番 | 中切歯 | 真ん中にある前歯 |
| 2番 | 側切歯 | 中切歯の隣の前歯 |
| 3番 | 犬歯 | 切歯の隣で、糸切り歯とも呼ばれる歯 |
| 4番 | 第一小臼歯 | 犬歯の後ろにある小臼歯 |
| 5番 | 第二小臼歯 | 第一小臼歯の後ろの歯 |
| 6番 | 第一大臼歯 | 小臼歯の後ろにある大臼歯 |
| 7番 | 第二大臼歯 | 第一大臼歯の後ろの歯 |
| 8番 | 第三大臼歯 | 親知らず |
この表は、右上だけに当てはまるものではありません。上下左右それぞれに同じ種類の歯があるという基本形を示しています。一方で、歯がもともと作られていない、まだ生えていない、既に抜いたなどの理由で、全員の口の中にすべてがそろっているわけではありません。表と違うことを見つけても、それだけで病気や治療の必要性を決めないでください。
「第一」と「1番」は同じ意味ではない
第一大臼歯の「第一」は、大臼歯というまとまりの中で最初にある歯を指します。真ん中から1番目の歯という意味ではありません。第一大臼歯は6番、第一小臼歯は4番です。「第一」という言葉だけを抜き出して、すべて1番の前歯だと思うと説明が食い違ってしまいます。名前は途中を省かず、まとまりで読むことが大切です。
また、「上顎右側第一大臼歯」と「右上6番」は、一般的な日本の番号表記では同じ歯を指します。紹介状には正式名、診察中には短い番号が使われることがあります。呼び方が変わったから別の場所の話になったとは限りません。長い名前が出てきたら、口の図に印を付けてもらうと、家で説明を振り返るときにも役立ちます。
乳歯はAからEで表すことがある
乳歯では、永久歯の数字と区別して、真ん中からA、B、C、D、Eと表す方法が使われます。Aが乳中切歯、Bが乳側切歯、Cが乳犬歯、Dが第一乳臼歯、Eが第二乳臼歯です。上下左右に5本ずつそろった場合の合計は20本です。永久歯と乳歯の表し方は参考情報2、本数については参考情報3を参照してください。
乳歯のCという位置の記号と、虫歯を示すCという健診の記号は、同じ文字でも意味が違うことがあります。どこに書かれ、何の欄で使われているかが重要です。紙にCと書いてあることだけで、犬歯なのか虫歯なのかを決めることはできません。健診結果の用紙には説明欄や凡例がある場合があるので、記号と一緒に確認します。
乳歯の奥歯は、そのまま同じ名前の永久歯になるわけではない
乳臼歯が抜けた後に生えるのは小臼歯です。一方、第一大臼歯は、乳歯のさらに後ろから新しく生える永久歯です。乳歯が抜けていない場所に生えてきても、余分な乳歯とは限りません。日本小児歯科学会も、6歳臼歯や12歳臼歯が乳歯の奥に加わることを説明しています。参考情報4を参照してください。
この違いを知っておくと、子どもの歯を見たときに「乳歯はまだ抜けていないから全部乳歯」と思い込まずに済みます。生え替わりの時期は、乳歯と永久歯が混在します。小さな歯と大きな歯が隣り合っていたり、歯が抜けた場所と生えかけの場所が同時にあったりするため、見た目の本数だけで全体の状態を判断するのは難しくなります。
家で記録を残すなら、抜けた日や新しい歯に気づいた日を、分かる範囲でメモするとよいでしょう。日付がはっきりしない場合に、無理に推測して埋める必要はありません。「先月は気づかなかった」「最近の仕上げ磨きで見つけた」という情報にも意味があります。学校や園の健診結果と一緒に持参すると、相談の出発点になります。
28本・32本という数字と、自分の歯の数を比べるとき
永久歯は親知らずを除く基本の本数が28本で、親知らず4本まで含めると32本です。ただし、これは歯の構成を説明する数字です。目の前の患者さんに32本あるはずだという診断基準ではありません。乳歯が残っていたり、過去に抜歯を受けていたり、もともと歯の数が少なかったりすると、見える本数は変わります。
親知らずが口の中に見えないことにも複数の理由があります。もともと存在しない場合と、骨や歯ぐきの中にある場合は、見た目だけでは区別できません。痛みや腫れがあるときまで「親知らずは生えていなくても普通だから」と受診を先送りにしないでください。確認が必要かどうかは、症状や過去の画像などを踏まえて判断されます。
人工の歯を含む数と、残っている天然歯の数を分ける
歯の形をした部分が見えていても、その下に自分の歯の根があるかは外見だけで分からないことがあります。かぶせ物、ブリッジの歯のない場所を補う部分、インプラントの人工の歯などは、見た目の並びが似ていても構造が違います。「全部で何本あるか」を聞かれたときは、何を数える目的なのかも確認すると行き違いを減らせます。
歯科医院で「残っている歯の数」を伝えられた場合と、自宅で鏡に見える白い部分を数えた場合で、数字が違うことがあります。どちらかが間違っていると決める前に、人工の歯を含むか、根だけ残る歯をどう扱っているかなど、数え方を聞いてください。歯の本数の記録は評価のための情報であり、本人の努力を採点するものではありません。
歯が足りないように見えるときの確認
数が足りないように見えたら、まず過去の抜歯歴や生え替わりの状況を確認します。矯正治療で抜いたことがあるか、けがで失ったことがあるか、乳歯が長く残っていたかなどが手掛かりになります。昔の記録が残っていなければ、そのことも含めて伝えます。記憶だけで「絶対に抜いていない」「必ずこの歯だった」と断定する必要はありません。
日本歯科医師会の資料では、歯の数が先天的に少ない場合や、逆に余分な歯がある場合が説明されています。参考情報5を参照してください。診察では、単に本数を合わせるのではなく、どの歯があり、どこにあり、かみ合わせや隣の歯にどう関わるかを見ます。同じ一本の不足でも、前歯か奥歯か、成長中かどうかで検討する内容は変わります。
乳歯が残っているからという理由だけで、自分で抜いたり抜歯を急いだりしないようにします。その下に後から生える永久歯があるかどうかは、治療方針に関わります。歯科医師は必要に応じて画像検査などを検討します。何のための検査かを説明してもらい、見つかった事実と今後の選択肢を分けて聞くと理解しやすくなります。
健診票の記号と歯の番号を混同しない
健診票には、場所を示す歯式と、その場所の状態を示す記号が並んでいます。たとえば数字が歯の位置を示し、そのそばのCが虫歯を表していることがあります。京都府歯科医師会の解説でも、健全な歯、虫歯、処置済みの歯、失った歯を記号で区別する方法が紹介されています。ただし、すべての医療機関や用紙で表現が完全に同じとは限りません。
記号だけで治療内容まで決めることはできない
虫歯を示す記号があっても、それだけで「必ず神経を取る」「抜歯が必要」といった治療内容までは分かりません。同じ虫歯でも、広がり、歯の残り方、症状などを診察して方針を考えます。健診はその時点での状態を確認し、必要な受診につなげる機会です。記号をインターネットで調べることだけで、具体的な治療を選ばないようにします。
結果を受け取ったら、受診を勧められている項目、その場所、説明欄に書かれた内容を確認します。分からない記号は写真で切り取って一文字だけ見せるより、用紙全体を診察時に持参した方が前後の意味を伝えやすくなります。個人情報が含まれる用紙を、不特定の人が見る場所に公開する必要はありません。
「治療済み」と「今後の管理が不要」は違う
処置済みの歯として記録されていても、それは治療歴に関する情報です。詰め物やかぶせ物の周囲、その歯を支える歯ぐきなどの管理は続きます。以前に治療を受けた場所がしみたり、かむと気になったりする場合は、「治療済みだから別の歯のはず」と決めつけず、その変化を伝えてください。
反対に、昔の健診票に虫歯の記号があり、その後治療を受けた場合、古い記号が現在の状態を示しているとは限りません。記録を見るときは検査日と治療日の順番も大切です。複数年の用紙があるなら、混ぜて一枚の情報として扱わず、年月日が分かる形でまとめておきます。
歯の「場所」と「面」を分けて理解する
歯科の説明では、歯の番号に続いて、歯のどの面なのかが話題になることがあります。同じ右下6番でも、かむ面、隣の歯との間、頬側、舌側では、見えやすさや清掃用具の届き方が違います。一本の歯を特定した後に、さらにその中の場所を示していると考えると分かりやすくなります。
患者さんが使いやすい言葉に置き換えてよい
専門用語を正確に覚える必要はありません。「食べ物をかむ上の面」「ほっぺたに触れる側」「舌に触れる側」「隣の歯と接するところ」という言葉でも相談できます。上の歯の内側は舌ではなく上あご側に面していますが、説明が難しければ口の図で示してもらいましょう。正しい単語を言うことより、同じ場所を見て話すことが目的です。
「歯と歯の間」といっても、その手前側か奥側かで指している部分が変わることがあります。清掃方法を教わる際は、用具を入れる位置と動かす向きを、鏡を使って確認すると理解しやすくなります。家で思い出せなくなったら、推測して強く押し込むのではなく、次の受診で使い方を再確認してください。
見える面の状態だけで、歯全体の健康は分からない
鏡で見える歯の表面に変化がなくても、歯と歯の間や、かぶせ物の周囲など、自分では見えにくい場所があります。米国国立歯科・頭蓋顔面研究所は、初期の虫歯には通常症状がなく、診察や必要に応じた画像で状態を確認すると説明しています。参考情報6を参照してください。番号が分かっていても、自宅の観察だけで病気の有無を判定することはできません。
口の中を確認するときには、尖った器具で歯を突いたり、爪で引っかいたりする必要はありません。気になるところを見つけたら、いつから気になったのか、痛みや出血があるかを記録します。見た目の説明が難しければ、受診時に鏡で指し示してもらう方が安全で確実です。
痛い歯の番号が分からないときの伝え方
痛みがあるとき、正確な番号を伝えなければ予約できないと思う必要はありません。上か下か、右か左か、前の方か奥の方かという範囲から説明できます。複数の歯がまとめて気になる、上下のどちらか判断しにくいといった場合も、そのまま伝えてください。位置を一つに絞れないことも診察で確認する情報です。
| 伝える項目 | 整理する内容 | 無理に決めなくてよいこと |
|---|---|---|
| 場所 | 自分から見た上下左右、前後 | 分からない歯の番号 |
| 始まった時期 | 今日、数日前、以前から繰り返すなど | 覚えていない正確な時刻 |
| 気になる場面 | 食事中、冷たい物で、何もしなくてもなど | 自分だけで決めた病名 |
| 経過 | 強くなった、弱くなった、範囲が変わったなど | 原因となった歯の断定 |
| 治療歴 | 最近の処置、仮の歯や詰め物の有無 | 不明な材料や商品名 |
症状を再現するために無理をしない
冷たい物がしみることを確かめようと、何度も氷水を含む必要はありません。かむと痛む場所を探すために硬い物を繰り返しかむことも避けます。受診までに自然に起こった症状を伝えれば十分です。どの刺激でどのように感じたか、刺激がなくなった後も続いたかなど、覚えている範囲をメモします。
痛み止めなどを既に使った場合は、薬の名前と使った時刻を伝えると診察に役立ちます。これは追加で服用するよう勧めるものではありません。薬の選択や使用について迷う場合は、持病やほかの薬も含めて医療者に確認します。歯の位置が分からない不安と、薬の使い方に関する疑問は分けて相談しましょう。
治療予定の歯と、今気になる歯が同じか確認する
予約時に予定されていた処置とは別の場所が気になってきた場合、診察の最初に伝えてください。治療計画書に右上と書かれている一方で本人は左上が気になっているなど、違いを感じたら処置前に確認します。説明の途中で気づいても、遠慮せず合図して構いません。口を開けたままでは伝えにくいため、手を挙げるなどの合図をあらかじめ相談できます。
この確認は、誰かの間違いを疑うためのものではありません。複数の歯を順番に治療していると、本人の関心とその日の処置予定が異なることがあります。「今日はどの歯を、何のために治療しますか」と短く確かめることで、説明と実際の予定を共有できます。
子どもの生え替わりを記録するとき
歯が生える時期の表は目安です。家族や同級生と比べて早い・遅いことだけでは、その子の状態を評価できません。日本小児歯科学会の資料は、乳歯から永久歯への変化が体の成長と関係することを説明しています。気になる場合は、年齢だけでなく、左右の様子、乳歯が抜けた経過、痛みや腫れの有無を一緒に相談します。
乳歯が抜けた場所と、後ろから加わる歯を別に見る
前歯が抜けた日には気づきやすくても、奥から新しく出てくる歯は見逃しやすいものです。仕上げ磨きの際、無理に頬を引っ張らず、子どもが苦しくない姿勢で見える範囲を確かめます。口の奥に新しい歯が見えても、自宅で名前を確定する必要はありません。次の診察で「これは永久歯ですか」と確認すると、清掃の説明も受けやすくなります。
生えかけの歯は隣の歯と高さが違うため、普段と同じ動かし方では歯ブラシが届きにくい場合があります。力を強くするのではなく、歯科医院で当てる方向を確認しましょう。どの歯に補助が必要かが分かると、保護者も毎日の仕上げ磨きの中で重点を置く場所を理解できます。
抜けそうな乳歯を番号だけで判断しない
乳歯が揺れるのは生え替わりの過程で起こりますが、揺れの理由を番号だけで決めることはできません。ぶつけた後に揺れ始めた、強い痛みがある、歯ぐきが腫れているなどの場合は、その経過を伝えて相談します。糸などを使って無理に引き抜いたり、抜ける時期を早めようと何度も触ったりしないようにしてください。
子ども自身が説明する場合は、保護者がすぐに訂正するより、まず本人が感じていることを聞くとよいでしょう。「奥が痛い」という言葉から、食べるときなのか、磨くときなのかを少しずつ整理できます。分からない番号を覚えさせて答えさせる必要はありません。本人の言葉と、保護者が観察したことを分けて伝えると診察で役立ちます。
歯をぶつけた・抜けたときは、番号の確認より受診を優先する
けがで歯が抜けた場合は、その場で何番の歯かを調べ続けるより、歯科へ早急に連絡することが大切です。乳歯か永久歯かで対応が異なるため、子どもの年齢、けがの時刻、抜けた物が見つかったかを伝えます。番号が分からなくても、そのために連絡を遅らせる必要はありません。
NHSの患者向け案内では、抜けた乳歯を元の場所へ戻さないこと、永久歯では乾燥させず早く歯科を受診することが示されています。参考情報7を参照してください。乳歯か永久歯か判断できないときは、自己判断で押し戻さず、歯科に連絡して指示を受けてください。抜けた歯を持つ際は、根の部分をこすらず、口に見えていた白い部分を持ちます。
抜けた永久歯を持参する際、牛乳などで乾燥を防ぐ方法が案内されています。子どもの口の中に保管させると飲み込むおそれがあるため、無理に口へ入れないようにします。歯が見つからない場合も、受診は必要です。見つけることに時間をかけすぎず、状況を伝えてください。
折れたのが歯そのものか、かぶせ物か分からない場合も、見つかった物を捨てずに持参します。家庭用接着剤で戻したり、尖った部分を自分で削ったりしてはいけません。写真を撮る場合も、受診の手配を優先します。頭や顔を強く打って意識がおかしいなど全身の異常があるときは、歯だけの問題として扱わず救急の医療につなげます。
治療計画書で番号を確認する場面
治療計画書に複数の番号が並ぶと、全部の歯を同じ方法で治療するように見えるかもしれません。しかし、検査する歯、実際に処置する歯、装置を支える歯など、番号が書かれた理由は違うことがあります。図と説明を対応させ、「この番号は何をする予定の歯ですか」と一つずつ確認すると整理できます。
かぶせ物やブリッジの説明では、支える歯も確かめる
歯がない場所を補う治療では、なくなった歯の場所だけでなく、その周囲にある歯の状態も関係します。ブリッジなら支えとなる歯と歯のない部分、インプラントなら骨に入る部分と上の人工の歯を区別して説明を受けます。見積書の「本数」が、どの部品やどの範囲を数えているのかも確認します。
患者さんが歯科の料金計算を自分で再現する必要はありません。ただし、「一本の歯を補う」という希望と、書面に複数の番号があることの関係は理解しておきたい点です。何を残し、どこに処置を行い、どの部分が人工物になるのかが分かれば、治療後の手入れの説明も具体的になります。
抜歯の説明では、位置と理由を一緒に確認する
抜歯を提案されたときは、番号の確認に加えて、その歯を残すことが難しい理由、ほかの対応の可能性、抜いた後の計画を説明してもらいます。同じ番号の歯でも、人によって状態は違います。別の人が同じ6番を残せたという経験だけで、自分にも同じ処置が適用できるとは決まりません。
説明が一度では整理できなければ、図に印を付けた資料を受け取れるか相談します。緊急性があるのか、考える時間を取れるのかも確認すると、次に何を決める必要があるかが分かります。番号を知ることは判断の助けになりますが、治療の適応を番号だけで決定するものではありません。
転院や家族の付き添いでは、説明を引き継ぐ
別の歯科医院へ通うことになった場合、本人が覚えている番号だけで治療歴を説明しようとすると、場所や処置が曖昧になることがあります。治療計画書、過去の説明資料、装置の情報など、手元にある資料を持参すると確認に役立ちます。番号の横に自分で書いたメモと、医療機関が作成した記録は区別しておくと、伝言による混同を減らせます。
付き添う家族が説明を聞く場合は、本人がどこまで情報を共有したいかも確かめます。本人が感じる症状と、家族が見た食事や手入れの様子は、異なる種類の情報です。代わりに病名を決めて説明するのではなく、それぞれが分かる事実を伝えましょう。歯科の用語が難しいときは、短い言葉や図での説明を頼むことができます。
帰宅後に振り返れるよう、次に処置する場所と、家で注意することを別々にメモしておく方法もあります。予定が変更されたら古いメモに日付を付けて残し、現在の指示を確認します。以前の指示を今もそのまま続けてよいか不明なときは、処置の内容が変わったことを伝えて相談してください。
日々の手入れに歯の位置の理解を役立てる
番号を覚える利点の一つは、磨き残しを指摘された場所を振り返りやすくなることです。ただし、「6番が苦手」と覚えるだけでは、どの面に磨き残しがあったのかが分かりません。右下6番の頬側なのか、後ろの歯との間なのかまで確認し、家で再現できる動かし方として教わりましょう。
苦手な場所を、一度に全部変えようとしない
歯科医院で説明されたことが多いと、帰宅してから全部を思い出すのは難しい場合があります。特に改善したい場所と、その場所に使う用具を短くメモにすると実践しやすくなります。「右下の奥、頬側の境目」など本人が分かる言葉で十分です。次の診察では、続けられたか、届かなかったかを伝えます。
歯ブラシを新しくすることだけが解決策ではありません。持ち方、口の開け方、鏡の位置などによって扱いやすさが変わることもあります。手が動かしにくい、鏡が見えにくい、介助が必要といった事情があれば、それも伝えてください。説明された方法を無理なく続けられるかという視点が大切です。
歯の本数が多くても、少なくても予防は必要
虫歯予防では、フッ化物入り歯磨き剤の使用、歯と歯の間の清掃、糖分を含む飲食の取り方、定期的な診察などを組み合わせます。参考情報6は、虫歯が細菌の作る酸と歯のミネラルの変化に関わることを説明しています。何番の歯であっても、「永久歯だから丈夫」「前歯だから虫歯にならない」と考えて管理を省かないようにしましょう。
子どもでは年齢に応じた歯磨き剤の量や使い方があります。大人の方法をそのまま当てはめず、家庭で使っている製品を歯科医院で見せて相談すると具体的です。歯が少ない高齢の方でも、残った歯や歯ぐき、人工の歯の周囲を含めた管理が必要です。歯の数を数える目的は、不安を増やすことではなく、その人に合う手入れにつなげることです。
よくある質問
右下6番は、右から六つ目の歯ですか
一般的な日本の呼び方では、本人の右下で、真ん中から奥に向かって6番目に対応する第一大臼歯です。ただし、歯が抜けた場所がある場合など、現在見えている歯を順番に数えるだけでは一致しません。鏡を見て分からなければ、番号を言おうとせず「右下の奥のこのあたり」と伝えて確認してもらえます。
32本そろっていないと、問題がありますか
親知らずがない方や抜いた方もいるため、32本ないことだけで問題とはいえません。一方で、歯が見えない理由や、かみ合わせへの影響を確認した方がよい場合もあります。過去の抜歯歴が分からない、乳歯が長く残っている、痛みや腫れがあるときは、数の違いを自己判断で片付けず相談します。
かぶせ物をした歯にも番号がありますか
かぶせ物をした後も、どの歯なのかを示す位置の情報は使います。見た目が人工物に変わっても、その下に自分の歯が残っている場合があります。ブリッジやインプラントなどは構造が違うため、番号に加えて、どんな治療を受けた場所かを説明してもらうと管理しやすくなります。
健診中に番号を聞き取れませんでした。結果は分かりますか
健診中の読み上げをすべて覚える必要はありません。結果の用紙を受け取り、受診が必要な項目と位置を確認してください。用紙の記号が分からなければ、歯科医院で説明を求めて構いません。聞こえた単語だけで状態を推測するより、記録と診察を合わせて確認する方が確実です。
子どもの歯は、白さや大きさで乳歯と永久歯を区別できますか
見た目に違いがあることはありますが、色や大きさだけで確定するのは避けてください。生え替わりの時期には両方が混在し、歯の形にも個人差があります。特にけがで抜けたときなど対応が急がれる場面では、本人や保護者だけで分類しようと時間をかけず、状況を歯科へ伝えて指示を受けましょう。
電話予約で歯の正式名を言えないと困りますか
正式名が分からなくても問題ありません。自分から見た上下左右、症状が始まった時期、痛みや腫れの程度、食事への影響などを伝えてください。番号を間違えないように考え込むより、今困っていることを正直に説明する方が役立ちます。場所がはっきりしない場合も、それ自体を伝えればよいのです。
歯の名前を、診察の説明を理解する道具として使う
歯の種類や番号を知っていると、治療計画や健診結果の説明を理解しやすくなります。基本は、本人から見た上下左右と、真ん中から奥へ向かう位置です。乳歯と永久歯の表し方を分け、歯が抜けた場所があっても番号を詰め直さないことを覚えておくと、行き違いを減らせます。
一方で、番号は診断そのものではありません。痛みのある歯を自分で断定したり、本数の違いだけで治療の必要性を決めたりするためのものではないことも大切です。次の診察では、気になる場所、過去の治療、今の疑問を短くまとめて持参してください。説明を聞いて分からない点を残さず、自分の口の状態を医療者と共有するために役立てましょう。
人工歯根と上の人工の歯の材料を区別したい方は、チタンのインプラントの構造と素材の解説も参考になります。